【完全保存版】2024年IT史クロニクル(Firebird):サプライチェーンと規制の年——月別の世界と日本

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序文:記録としての2024年

2024年は、生成AIの実用化が進む裏側で、サプライチェーンとインフラの脆弱性が繰り返し露呈した年でした。

3月のxz-utilsバックドア事件は、世界中のLinuxディストリビューションを揺るがすオープンソース供給網攻撃として発覚し、7月のCrowdStrikeによる世界規模のシステム障害は、たった一つの品質管理ミスが航空・医療・金融を同時に止め得ることを証明しました。同時に、10月にはAI研究者2組がノーベル賞を受賞し、AIが「流行語」から「科学的功績」として認められる年にもなりました。以下は月別の索引です。日付・数値は各社公式発表・報道で照合してください。

2024年 上半期(1〜6月)

1月:CES 2024とGPTストア

  • 【CES 2024(1/9〜12)】 AI搭載PC・スマートフォンの「AI PC」トレンドが本格化。Rabbit R1などAI専用デバイスも発表されました。
  • 【OpenAI GPTストア公開(1/10)】 ユーザーがカスタムChatGPT(GPTs)を公開・共有できるマーケットプレイスが開始。
  • 【Samsung Galaxy S24発表・Galaxy AI搭載(1/17)】 スマートフォンへのオンデバイスAI機能(リアルタイム通訳等)搭載が主要メーカーで本格化しました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

2月:Gemini 1.5とSora発表

  • 【Google Gemini 1.5公開(2/15)】 長大なコンテキストウィンドウ(100万トークン)を特徴とするモデルを発表。
  • 【OpenAI Sora発表(2/15)】 テキストから高品質な動画を生成するモデルを発表し、動画生成AIへの関心が急速に高まりました。
  • 【Groqの高速推論チップが話題に】 LPU(Language Processing Unit)による低遅延推論のデモがSNSで拡散しました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

3月:xz-utilsバックドア事件とClaude 3

  • 【xz-utilsバックドア事件発覚(3/29)】 Microsoftのエンジニアが、広く使われる圧縮ライブラリ「xz-utils」に仕込まれたバックドア(CVE-2024-3094)を偶然発見。長期間かけて信頼を積み上げたメンテナー交代を悪用する手口が、オープンソース供給網の脆弱性として世界的な議論を呼びました。
  • 【Anthropic Claude 3ファミリー公開(3/4)】 Opus・Sonnet・Haikuの3モデルを発表。
  • 【EU AI法 欧州議会で正式採択(3/13)】 世界初の包括的AI規制法制が可決されました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

4月:Meta Llama 3公開

  • 【Meta Llama 3公開(4/18)】 オープンウェイトモデルの新版を公開し、性能面でクローズドモデルに迫ると評価されました。
  • 【自律型コーディングエージェント「Devin」発表】 タスクを自律的に完遂するAIソフトウェアエンジニアとして話題を集めました。
  • 【OpenAI GPT-4 Turbo 更新】 性能・知識カットオフを更新した版を公開。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

5月:GPT-4oとGoogle検索のAI概要騒動

  • 【OpenAI GPT-4o公開(5/13)】 テキスト・音声・画像をリアルタイムに扱うマルチモーダルモデルを発表。音声対話のデモが大きな反響を呼びました。
  • 【Google I/O・AI Overviews展開(5/14)】 検索結果へのAI要約機能を米国で本格展開したものの、「ピザにボンドを塗る」等の誤情報が拡散され話題になりました。
  • 【Ilya Sutskever氏 OpenAI退社(5/14)】 共同創業者・チーフサイエンティストの退社が報じられ、AI安全性を巡る組織内論争が注目されました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

6月:Apple Intelligence発表

  • 【Apple WWDC・Apple Intelligence発表(6/10)】 AppleがOpenAIと提携し、Siriを含む生成AI機能群「Apple Intelligence」を発表しました。
  • 【生成AIの推論コスト最適化が話題に】 量子化・バッチングなど、モデル運用コスト削減の実装事例が増加しました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

2024年 下半期(7〜12月)

7月:CrowdStrike世界規模障害

  • 【CrowdStrikeによる世界規模システム障害(7/19)】 セキュリティソフト大手CrowdStrikeの品質検証を経ない設定ファイル配信が原因で、世界中のWindows端末がブルースクリーンで起動不能に。航空便の大量欠航、病院・銀行・放送局の業務停止など、史上最大級のIT障害として記録されました。
  • 【AT&T大規模データ侵害の公表】 顧客の通話・SMS記録が漏洩したことが公表され、大規模通信事業者のセキュリティ体制が問われました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

8月:Google独占禁止法訴訟で敗訴

  • 【Google、検索独占を巡る反トラスト訴訟で敗訴(8/5)】 米連邦地裁がGoogleの検索市場での違法な独占を認定。IT大手への反トラスト規制強化の象徴的判決となりました。
  • 【Telegram創業者パーヴェル・ドゥーロフ氏 フランスで逮捕(8/24)】 プラットフォームの違法コンテンツ対策不備を巡る捜査で拘束され、プラットフォーム事業者の法的責任が国際的に議論されました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

9月:OpenAI o1と加州AI法案拒否

  • 【OpenAI o1公開(9/12)】 応答前に「思考」する推論特化モデル(開発コード名Strawberry)を発表。数学・コーディングでの精度向上が示されました。
  • 【カリフォルニア州AI安全法案SB 1047 知事拒否権発動(9/29)】 AI開発企業への安全性義務付けを定めた法案が、ニューサム州知事の拒否権行使により成立しませんでした。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

10月:AI研究者がノーベル賞をダブル受賞

  • 【ノーベル物理学賞:ホップフィールド氏・ヒントン氏(10/8)】 ニューラルネットワークの基礎理論への貢献が評価され受賞。AI研究が物理学の枠組みで評価される異例の選出となりました。
  • 【ノーベル化学賞:ハサビス氏・ジャンパー氏・ベイカー氏(10/9)】 タンパク質構造予測AI「AlphaFold」の開発が評価され、Google DeepMindの研究陣がノーベル賞を受賞しました。
  • 【Anthropic Claude 3.5 Sonnet「Computer Use」機能公開(10/22)】 AIがPC画面を直接操作するエージェント機能を発表しました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

11月:米大統領選とAmazonの追加投資

  • 【米大統領選、トランプ氏勝利(11/5)】 AI規制方針の転換が見込まれ、業界の政策動向に注目が集まりました。
  • 【AmazonがAnthropicへ追加40億ドル投資】 累計投資額が80億ドル規模に達し、クラウド大手とAI企業の資本提携が加速しました。
  • 【X(旧Twitter)代替としてBlueskyへの移行増加】 米大統領選後、SNSプラットフォームの分散化傾向が顕著になりました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

12月:OpenAI「12日連続発表」とGemini 2.0

  • 【OpenAI「12 Days of OpenAI」】 o1正式版・Sora一般公開(12/9)など、12営業日連続で新機能・新モデルを発表するキャンペーンを実施しました。
  • 【Google Gemini 2.0発表(12/11)】 エージェント機能を強化した次世代モデルを発表しました。
  • 【参照】 日付・数値は各社発表・報道で照合。

IT史ウィンドゥ(2024年・四半期の索引)

  • Q1:xz-utilsバックドア事件・Gemini 1.5・Sora発表・EU AI法採択。
  • Q2:GPT-4o・Apple Intelligence・Llama 3・自律コーディングエージェント。
  • Q3:CrowdStrike世界規模障害・Google反トラスト敗訴・OpenAI o1。
  • Q4:AI研究者のノーベル賞ダブル受賞・米大統領選・Gemini 2.0。

(四半期は圧縮の目印。詳細は月別へ。)

結論:索引のあとで読む圧縮

2024年は、生成AIの実用化が加速する一方で、たった一つの設定ミス(CrowdStrike)とたった一人が偶然発見した仕込み(xz-utils)が世界規模の混乱を招き得ることを突きつけた年でした。同じ年にAI研究がノーベル賞という形で科学の主流に認められたことは、生成AIブームの是非を超えて、AIが基礎科学の道具として定着しつつあることを示しています。本稿は雑学・教育用の索引であり、特定ベンダーの推奨ではありません。

シリーズ:IT史クロニクル

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免責:本稿は個人ブログ上の年表整理であり、特定製品の宣伝や投資判断を目的としません。日付・製品名は改正・リネームがあり得ます。一次資料での照合を推奨します。

以上です。

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