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「松本城、一回行けば十分かな」と思っていた自分が、翌朝また城に向かっていた。
それがすべてを物語っている気がする。
2024年6月末、長野県松本市に1泊2日で行ってきた。国宝の天守が現存する「現存12天守」のひとつで、別名「烏城(からすじょう)」。漆黒の外壁が特徴的な、あの松本城だ。
新宿から高速バスで松本へ
新宿から高速バスで松本を目指した。中央道を走り、途中、山梨県の双葉SA(サービスエリア)で休憩を取った。バスを降りて外に出ると、標高が上がるにつれて空気の匂いが変わっていくのがわかった。
▲ NEXCO中日本「双葉 FUTABA」の大きな看板が掲げられた展望塔
▲ 双葉SAのテラスから望む山梨の山並みと曇り空・手すりと柱が前景に見える
▲ 双葉SAの広大な駐車場とトラックの列、遠くに山並みが見える
▲ 双葉SAの屋外テント売店と「地元のものやさい」の緑ののぼりが並ぶ休憩エリア
まだ梅雨明け前の6月だったので空は厚い雲に覆われていたが、それでも山の迫力は伝わってきた。
松本市内に入り、バスターミナルから歩き始めると、路上には松本市のオリジナルマンホール蓋。城の意匠が彫られた、地方都市らしいこだわりを感じる一枚だ。
▲ 松本市のオリジナルマンホール蓋(城のデザイン)
「そろそろかな」と思って顔を上げた瞬間、視界に飛び込んできた漆黒の天守に、思わず足が止まった。
でかい。
写真で何度も見ていたはずなのに、実物の圧力が全然違う。内堀に映り込む黒い城。曇り空のせいでコントラストがくっきりして、むしろ晴れ日よりも城の黒が際立って見えた。
▲ 石垣と内堀の水面に映り込む漆黒の松本城天守・曇り空に堂々とそびえる烏城
▲ 「国宝 松本城」「松本城案内図」と書かれた来場者向けの地図看板
▲ 「国宝 松本城」と刻まれた白い石柱と橋の欄干・手前に観光客が歩く天守閣への参道
▲ 内堀に架かる赤い梅の橋の欄干・橋の奥に漆黒の松本城天守がそびえる
松本城に入ると、400年前の「戦」がリアルになる
天守内部は6階建て。入口から入ってすぐ、木の匂いと薄暗さに包まれる。観光施設というより、本当に「古い建物の中に入った」感覚だ。
▲ 城内の歴史解説パネル(建築と歴史を紹介)
▲ 内堀越しに見る漆黒の松本城天守・石垣の上にそびえる5層6階の天守閣
各階には当時の武器や防御設備の展示がある。鉄砲の狭間(さま)——城壁に空けられた小さな穴から外を覗くと、内堀と公園が見える。ここに武士が立って敵を見張っていた、ということが突然リアルに迫ってくる。「遠足で行った城」ではなく、「人が命をかけて守った場所」という感覚。
階段は急で幅が狭い。手すりを掴まないと降りられないような傾斜だ。運動不足の人間には少しきつかったが、「防衛上の設計として急にしてある」と聞いて、妙に納得した。敵が攻め込んできたとき、急な階段は天然の罠になる。
最上階(6階)に登りきると、松本市街が360度広がっていた。遠くに北アルプスの峰々。曇り空の下でも山の白さが見える。「この景色を見るために命をかけた人がいたんだな」という感想は、少し大げさかもしれないが、そう思わずにいられない場所だった。
城の外を歩く——二の丸御殿跡と太鼓門
城内を出て、外周を歩いた。二の丸御殿跡には江戸時代の建物配置を示す石の標識が残っていた。「雪隠(せっちん)」——今でいうトイレの場所を示す石柱や、「味噌部屋」の案内石。城という建物の「生活面」を知ると、なんだか急に人間くさく感じてくる。
▲ 二の丸御殿跡から見た松本城天守
▲ 二の丸御殿跡の地面に埋め込まれた「雪隠」と刻まれたトイレ跡を示す石の案内標
▲ 二の丸御殿跡「味噌部屋」の標識石
太鼓門(復元)をくぐって外堀のほうへ。松本城は外堀・内堀と二重になっていて、堀を渡る橋のたびに「守りの深さ」を体感できる。
▲ 石垣の上に復元された太鼓門の黒い門扉と白壁・瓦葺き屋根の城郭建築
▲ 松本城外堀の水面に空と木々が映り込む緑豊かな堀の風景
▲ 外堀の向こうに鉄塔が見える松本城外周の堀沿いの風景
▲ 工事用緑フェンスが置かれた太鼓門の木造門と黒壁・漆喰の白壁が間近に見える
▲ 「太鼓門桝形の由来」と書かれた石垣脇の解説パネルと城郭構造の図解
▲ 「切株の説明」看板が置かれた天守の太い木製柱の切り株・木の年輪が鮮明に見える
城下町散策:女鳥羽川と縄手通り
松本城を出て、女鳥羽川(めとばがわ)沿いを歩いた。石積みの護岸と透明な川、その向こうに山が見える。観光地の賑わいとは少し離れた、生活感のある川沿いの道。
▲ 石積み護岸の間を流れる女鳥羽川と両岸のビル群、遠くに山が見える
縄手通りの入口には、かわいらしいマスコットキャラクターの像が立っていた。川沿いの小さな商店街で、かえるをモチーフにした雑貨屋や食べ物屋が並んでいる。観光地らしい賑わいの中に、地元の日常が溶け込んでいた。
▲ 縄手通り入口に立つカエルのゆるキャラ石像・「入口 IN」の看板が並ぶ
中町通りに入ると、雰囲気が一変する。白漆喰の蔵造りの建物が連なる。民芸品、陶器、地元食材の店。観光用に作られた「昔風」ではなく、実際に商売が続いている、現役の城下町の商店街だ。
▲ 白漆喰の壁に三角形の狭間が並ぶ松本城の土蔵建築と石段・城郭建築の特徴的な外壁
▲ 近くから見上げる松本城の黒漆喰板張り壁と石垣・狭間の小窓が並ぶ
四柱神社(よつはしらじんじゃ)
午後、松本市内の四柱神社に立ち寄った。「縁結びの神様」として知られる神社で、天之御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・天照大神の4柱を祀っている。境内は整備された石の鳥居が並び、松本城から歩いてすぐの中心地にありながら、静かで落ち着いた雰囲気だった。
▲ 「松本市招魂殿」の説明看板と石鳥居・四柱神社内の戦没者を祀る施設への入口
▲ 四柱神社の石製鳥居の柱・奥に朱塗りの社殿と砂利敷きの参道が続く
▲ 四柱神社境内に立つ「恵比寿神社」と書かれた木製の説明看板
▲ 四柱神社の拝殿正面・注連縄が張られた木造社殿と手前の石灯籠
▲ 「四柱神社」の御祭神を記した木製の由緒看板・背後に拝殿と石灯籠が見える
境内には「松本招魂殿(しょうこんでん)」もあり、戦没者を祀る施設としての側面もある。さらに奥には恵比寿社も鎮座しており、小さな境内の中に複数の社が集まっていた。松本城の「戦」の歴史と、静かに向き合える場所だった。
▲ 「夏越大祓」の青い幟が下がる四柱神社の黒い鳥居と参道石畳
▲ 四柱神社境内の参道と石灯籠・奥に社殿の屋根と鉄塔が見える
▲ 四柱神社境内の石灯籠と緑の木立に囲まれた奥の社への参道
夜の松本と、本物の信州グルメ
夕方、チェックインを済ませてから夜の松本へ。
地元の居酒屋で頼んだのは山菜の天ぷら。信州の山で採れた山菜を、さっくり揚げた一皿。東京のスーパーで売っているものとは香りが全然違う。箸をつけた瞬間、山の匂いがした。
▲ 山菜の天ぷら(信州の地場の味)
続いて頼んだのが山賊焼き。松本・安曇野で生まれた郷土料理で、鶏もも肉をにんにく醤油ダレに漬け込み、豪快に揚げたもの。名前の由来は「山賊は物を取る(鶏を取る)」という語呂合わせが有名らしい。一口食べると、にんにくの風味と鶏の旨みが口の中で広がった。
▲ にんにく醤油ダレで揚げた鶏もも肉の山賊焼き・マヨネーズとキャベツを添えた一皿
▲ 信州の地酒メニュー(日本酒ラインナップ)
そして信州そば。細麺のそばを地元のつゆでいただいた。食後に出てきたそば湯まで含めて、「信州に来た」を実感できる一杯だった。
▲ 黒い角盆に盛られた信州の細麺ざるそば・わさびと薬味小鉢が添えられた一人前
▲ 信州そばを食べ終えた後の白濁したそば湯が残る黒い陶器の湯のみ
食は「信州グルメ」という言葉を超えて、本当に東京では食べられないものがあった。食材と水が違うからだろうか。
泊まったのは松本駅から徒歩5分の「天然温泉 梓の湯 ドーミーイン松本」。9階に自家源泉の天然温泉大浴場がある。一日歩いてきた足を湯に浸けると、城も天ぷらも全部まとめて「今日は良い日だった」に変換される感覚があった。翌朝の朝食バイキングには信州のご当地メニューも並ぶ(詳細は次のセクションで)。
▲ ホテルのシングルルーム(ドーミーイン松本)
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2日目の朝:ホテルの和朝食と、雨の松本散策
翌朝のホテル朝食が良かった。信州そばのミニサイズ、サバの塩焼き、スクランブルエッグとハム、豆腐の冷奴、わさびと生姜。さらに信州の混ぜご飯まで並んだトレイいっぱいの和食は、旅の朝食らしいボリュームだった。
▲ ホテルの和朝食トレイ(鯖・豆腐・卵・そば)
▲ 錦糸卵とイクラ・具材たっぷりの信州混ぜご飯・ドーミーイン朝食ビュッフェのご当地メニュー
朝食を終えると、外は小雨が降っていた。それでも、松本の街を歩きたかった。
まず向かったのは「源智の井戸(げんちのいど)」。松本市内に点在する「まつもとの名水」のひとつで、江戸時代から市民に使われてきた湧水の井戸だ。雨の中で案内板を読みながら、城下町が「水の町」でもあったことを知る。
▲ 雨の路地に停まる白い車と奥に見える源智の井戸の緑屋根の小さな祠・住宅街の一角
▲ 雨天に見える「源智の井戸」の祠屋根と御神体・周辺に紙垂が垂れる小さな湧水の場所
そのまま中町通りへ。雨の白壁蔵造りは、昨日とまた違う表情をしていた。観光客は少なく、雨音と石畳の音だけが響く。
▲ 雨に濡れた石畳の中町通り・白漆喰蔵造りの商店が静かに並ぶ朝の通り
現代の開智小学校の前も通った。明治時代の旧開智学校とは別に、現在も現役の小学校が近くに続いている。歴史と現在が隣り合わせの、松本らしい光景だった。
▲ 「関係者以外立入はご遠慮ください」の看板と黒い門扉越しに見える開智小学校の洋風円形校舎
そして、また松本城へ向かっていた。「もう一回行くつもりはなかった」のに、気がついたら歩いていた。
朝の城は観光客が少なく、静かだ。雨上がりの堀の水面が空を映している。前日とは全然違う表情をしていた。
▲ 雨の朝、内堀の水面に漆黒の天守が映り赤い橋が霞む松本城の風景
▲ 雨上がりの松本城・堀に映る天守
2日目の天守閣:甲冑と、月見櫓の静けさ
2日目は天守内部をじっくり見た。前日は全体を駆け足で見たが、この日は展示をひとつひとつ読んだ。
火縄銃のコレクションが圧巻だった。長さ1メートルを超えるものが何挺も並んでいる。松本城は「鉄砲蔵」を持つ城として当時から知られていたらしく、その歴史が伝わってくる。弾の種類の説明板には「珍しい弾」として単発・二連・三連・鎖玉弾まで図解されていた。火薬の製造方法(硝石・硫黄・木炭の配合)の解説、鉄砲足軽の装備道具、弾を作る鉛弾型、火薬入れ(竹製・牛の角・木製)まで、松本城が「鉄砲の城」だったことがこれでもかというほど伝わってくる。
▲ 火縄銃コレクション(天守内鉄砲蔵)
▲ 「松本城と城下町」の解説パネルと当時の城下絵図が描かれた展示板
▲ 黒い木製ケースに展示された精巧な甲冑レプリカ・「Please don’t touch」の注意書き付き
▲ 天守内の急勾配な木製階段を上から見下ろす・太いレールと古い床板が連なる
甲冑の展示ケースの前に立つと、戦国時代の武士がそのまま立っているようだった。鉄と革で作られた防具の精巧さ、傍らに置かれた火縄銃。「鉄砲頭当具足」というラベルがついたその甲冑は、鉄砲から身を守るための特別な設計が施されたものだと説明文にあった。
▲ 甲冑と火縄銃の展示(鉄砲頭当具足)
刀剣の展示ケースには短刀・脇差・太刀が並び、傍らには「刀の鑑定書」と思われる古文書の展示板も。城と戦の記録が、400年後の自分に語りかけてくるような展示だった。
▲ 城内の日本刀展示(短刀・脇差・太刀)
▲ 刀の鑑定書と思われる古文書の展示
松本城には「月見櫓(つきみやぐら)」という、江戸初期に増築された部分がある。戦のための天守に、月見のための優雅な空間が増設された。障子と木の格子、光が差し込む縁側。戦国から江戸へ、時代が変わった証明のような場所だ。
▲ 月見櫓の内部・障子の格子越しに光が差し込む縁側と柱の木組み・竹の手すりが見える
▲ 「産地と特徴」など複数パネルと赤いケースに並ぶ火縄銃を解説する天守内鉄砲展示コーナー
最上階からの景色は、2回目でも飽きなかった。6階の格子窓から内堀と梅の橋が見える。方角ごとに見える山の名前を示す案内板には「常念岳・燕岳・大天井岳・蝶ヶ岳・鍋冠山・御嶽山」など北アルプスの峰々の名が記されていた。
▲ 最上階からの北アルプスと松本市街
▲ 「戦国期の弾づくり・火縄づくり」パネルと赤いケースに並ぶ古式火縄銃の展示
▲ 最上階の格子窓から内堀と梅の橋を望む
▲ 「二十六夜神」「棟木構造」「設計変更された柱梁」を解説したコルクボードの説明パネル
5階では武者の甲冑レプリカが展示されており、当時の装備のスケール感がリアルに伝わる。4階は竹のすだれ仕切りのある広間で、最上階へ上がる前の一息つける空間だった。
▲ 天守5階の武者甲冑レプリカ展示
▲ 天守4階・竹のすだれ仕切りの広間
城内では松本城二の丸御殿跡の発掘調査に関する展示も充実していた。1700年代に焼失した御殿の発掘記録と、出土した陶磁器や灯明皿が並んでいる。「城」は天守だけじゃない、ということをここで改めて知る。
▲ 二の丸御殿跡の発掘展示と出土陶器
▲ 二の丸御殿跡の出土品(古銭・碁石・おはじき)
帰路:松本を後にして
松本城の見学を終えて、帰路についた。
「また来よう」と思った。それが率直な感想だった。
「一回行けば十分かな」と出発前に思っていたのに、帰る道でもう次の訪問を考えていた。秋の紅葉、冬の雪化粧、桜の時期——それぞれ全然違う顔を見せるはずで、どれも見てみたい。
まとめ:松本は「深い」街だった
松本に来る前、「国宝の城と城下町」という理解だった。それは間違いではないが、実際に来てみると松本の面白さはもっと複層的だった。
- 城は「見る」だけでなく「体感する」場所だった(急な階段、狭間からの眺め、甲冑の存在感)
- 城下町は今も現役で機能している(観光用に作られた「昔風」ではない)
- 食は「信州グルメ」という言葉を超えて、本当に東京では食べられないものがあった
- そして、朝の城と昼の城は別物だった
観光情報は調べれば出てくる。でも「もう一回行きたい」と思わせる何かは、行ってみなければわからない。
松本はその「もう一回行きたい」を持っている街だと思う。
📍 アクセス: 新宿から高速バス(中央道・双葉SA経由、約3〜4時間)/特急あずさ(新宿→松本 直通 約2時間30分・自由席6,170円)・松本城まで市内中心部から徒歩約15〜20分
🏰 見どころ: 松本城(国宝)、四柱神社、縄手通り、中町通り、源智の井戸(まつもとの名水)
🍽 印象的だったグルメ: 山菜の天ぷら、山賊焼き、信州そば
⭐ おすすめ度: ★★★★★(リピート確定)
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