パソコこんにちは!パソコです。気になったら関連記事もチェックしてみてね🔥
8月の大山、行ってきた
「首都圏で日帰り登山、どこがいい?」と思い続けていた2023年8月末。選んだのは、神奈川県伊勢原市にある大山(標高1,252m)だった。
高尾山は何度か行ったことがある。もう少し達成感のある山を、でも一人でも安心して行けるところを——そう考えていたら、大山の名前が浮かんだ。ケーブルカーで阿夫利神社下社(標高696m)まで上がれて、そこから山頂を目指すことも、下社だけ楽しんで帰ることもできる。懐の深い山だ。
当日の天気は、あいにくの曇り。前日まで晴れ予報だったのに、朝起きたら厚い雲が広がっていた。それでも出かけた。どうせ山の中は木陰だし、暑い夏なら曇りのほうが涼しくていいかもしれない——半ば強引にそう納得して、家を出た。
伊勢原駅から大山ケーブルへ
新宿から小田急線の急行に乗り、伊勢原駅で下車。時刻は12時52分ごろ。
北口のバス乗り場を出ると、すぐに「大山方面へ」と書かれた緑色の三角屋根の案内所が目に入った。分かりやすい。横には神奈川中央交通のバス停。バスは15〜20分おきに出ていて、待ち時間もほとんどなかった。
バスに乗ること約30分。山が迫ってくる感覚が強まり、大山ケーブルバス停に到着する。バスを降りた瞬間、雰囲気がガラっと変わった。周囲は深い緑に囲まれ、遠くに急峻な稜線が見える。伊勢原の市街地からほんの30分しか離れていないのに、完全に山の世界だ。
バス停近くに「伊勢原ハイキングコース案内図」と「大山阿夫利神社」の説明板が並んでいた。英語・中国語でも書かれていて、外国人観光客も多いことがうかがえる。案内板によると、大山は紀元前97年に創建とも伝えられる歴史ある神社で、雷神・海の神・山の神を祀っているという。登山前から歴史の重みに圧倒された。
▲ 大山ケーブルバス停。伊勢原市街から山の世界へ一気に変わる入口
ケーブルカー乗り場で待つ夏の暑さ
バス停から参道・石畳の坂道を徒歩約15分。豆腐料理店や土産屋が並ぶ参道を抜けると、大山ケーブル駅に着く。
乗り場の待合室は、真夏らしい光景だった。ベンチが並んだホールの中心に、業務用扇風機が一台。「SUPER ACE」と書かれたぶん回り。ぶん回している扇風機の後ろに、こんなポスターが貼ってあった。
「大山名物きゃらぶき風味 きゃらいなご」
大山のいなご(バッタ)を使った佃煮らしい。江戸庶民も食べていたとか。ちょっと気になったが、今回は買わなかった。次回こそ。
ケーブルカーは2020年に新型に更新された緑色の車両。内装も清潔で、大きな窓から外が見やすい。乗客はそこそこいて、夏休み最後の土曜日ということもあって家族連れが多かった。
▲ 大山ケーブル駅の待合ホール。業務用扇風機「SUPER ACE」が唸り続けていた
▲ ケーブルカー乗り場の構内。真夏の午後、乗客が並び始めている
▲ 大山ケーブルカーの緑色の新型車両。2020年に更新された清潔な内装
▲ ケーブルカーのホームに停車した車両を正面から。急勾配のレールが奥へ続く
▲ ケーブルカーの車内。大きな窓が外の緑の景色を取り込む明るい内装
ケーブルカーで一気に696mへ
いよいよ乗車。ケーブルカーが動き始めると、すぐに急勾配が体感できる。体が後ろに引っ張られるような感覚。
車窓から見える景色が素晴らしかった。線路が急角度で下方に伸びていき、その先に伊勢原の市街地と相模平野が広がっていく。曇りでも視界は悪くなく、遠くに海が光って見えた。途中、すれ違い区間(大山寺駅付近)ではアーチ型の石橋をくぐる。緑のトンネルのなかを、古い石造りのアーチが現れる。その瞬間だけ、時代が変わったような感覚があった。
乗車時間は約6分。あっという間に阿夫利神社下社に到着する。
▲ ケーブルカーの車窓から見た伊勢原の市街地。急勾配の下方に広い相模平野が広がる
▲ 大山寺駅付近のアーチ型石橋をくぐる瞬間。緑のトンネルの中に古い石造りが現れる
阿夫利神社下社:相模平野が一望できる場所
下社のケーブルカー乗り場を出ると、木々の間から相模平野が見えた。
標高696m。それほど高くないように思えるが、視界が開けた瞬間の「あ、来た」という感覚は本物だ。伊勢原の田んぼ、町並み、遠くの丘陵、そして霞んだ水平線。曇りでもこれだけ見える。晴れた日なら相模湾から江の島まで見渡せるそうだ。
▲ 阿夫利神社下社から相模平野と霞む海岸線を見渡す眺め
▲ 阿夫利神社下社のケーブルカー乗り場を出た広場。石畳と緑の木々が広がる
▲ 下社への参道の石段。古い石畳に苔が生え、参拝者が上り下りしている
▲ 下社境内の石段を俯瞰。重厚な石造りの手すりが連なる
▲ 下社境内から見た杉の大木。天に向かって真っすぐ伸びる古木が神聖な雰囲気を作っている
下社の拝殿は朱色が鮮やかだった。「大山阿夫利神社」と刻まれた大きな石碑が立ち、金色の装飾が施された重厚な社殿が緑の杉林を背景にしている。
境内には「大山獅子」と書かれた大きな岩の台座があった。岩の上に二体の獅子、まわりに十二支の動物像が並ぶ。「日本三大獅子山」と刻まれていた。知らなかった。大山がそんな称号を持っているとは。
▲ 朱塗りの装飾が鮮やかな大山阿夫利神社下社の拝殿と石碑
▲ 大山阿夫利神社境内の大山獅子・岩台座に二体の獅子と十二支像が並ぶ
登山道へ:苔むした石段が続く森
下社を参拝してから、山頂方向への登山道に少し入った。
すぐに分かった——これは本気の石段だ。苔と湿気で覆われた大きな石が、急斜面をジグザグに続いている。杉の大木が両脇にそびえ、薄暗い。夏なのに涼しい、というより少し肌寒い。湿度は高い。
下社の大石段(参道側)からケーブルカー乗り場を振り返ると、これまた急な白御影石の階段が上方へ続いており、傘を持った参拝客が下りてきていた。
▲ 苔むした不整形の石段が杉林の急斜面を登っていく大山山頂への登山道
▲ 白御影石の大石段が鳥居まで続く阿夫利神社下社の参道。参拝者が上り下りしている
▲ 登山道入口の案内板。「大山頂上まで90分」と書かれた道標が立つ
▲ 登山道の苔むした岩と大木の根元。山頂方向へ続く薄暗い森の道
この日は山頂まで行くことができなかった。天候が怪しくなってきたこと、時間の余裕がなかったこと、体力的な準備不足——いくつかの言い訳が重なって、下社で引き返すことにした。
正直なところ、「下社まで」でも十分満足だった。ケーブルカーの体験、神社の参拝、相模平野への眺望。それだけで日帰りの価値があった。
次は本当の「登山」として、山頂まで行きたい。下社から山頂まで約90分の急坂。今度はそこまで含めた計画で来るつもりだ。
下社の展望テラスからの眺め
下社には展望のための石の欄干(手すり)が設けられた場所がある。石柱には奉納者の名前が刻まれており、歴史の深さを感じさせる。ここに立って相模平野を眺めていると、なぜこの山が「雨乞いの山」として信仰されてきたかが少しわかる気がした。山頂に雲がかかると雨が降る——それを人々が大山を通じて神に祈っていたのだろう。
曇り空だったが、かえって幻想的だった。雲が低く垂れ込め、山の稜線がシルエットになり、その向こうに相模湾が光る。晴れの日ならもっと鮮明に見えるだろうが、この日この瞬間の景色も悪くなかった。
▲ 阿夫利神社下社の石欄干越しに曇天の相模平野と山の稜線を望む展望台
帰り:参道の豆腐料理を横目に
下山後、参道を歩いて大山ケーブルバス停へ。参道沿いには豆腐料理店がいくつかあり、どこも「大山豆腐」を看板に掲げていた。
今回は時間と財布の都合で入れなかったが、豆腐定食やこんにゃく刺しが名物らしい。「15時までには下山して豆腐を食べる」というのが大山の正しい楽しみ方らしく、次回はそこまでセットで計画したい。
バスで伊勢原駅へ戻り、小田急で帰宅。真夏の日帰り登山(正確には「半登山」)は、あっけなく終わった。でも、また来たいと思わせる山だった。
▲ 参道を下りながら振り返った大山の稜線。雲がかかり、山頂が霞んでいる
まとめ:大山、また来る
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 訪問日 | 2023年8月26日(土) |
| 天気 | 曇り〜小雨 |
| アクセス | 新宿→伊勢原(小田急)→大山ケーブルバス停(神奈川中央交通バス) |
| ケーブルカー | 往復1,120円・所要6分 |
| 下社滞在 | 約40分(参拝・眺望・散策) |
| 山頂 | 今回は断念(下社どまり) |
| 総費用 | 約4,000円前後(交通費込み・食事なし) |
夏に行くなら、涼しい朝早めに出発して、山頂を目指し、午後は豆腐料理でゆっくり——というのが理想だと思った。ケーブルカーだけでも、下社の神社と眺望だけでも十分に価値があるのだから、「登山初心者の登山デビュー」としても大山は本当によい選択だ。
アクセス・費用・コース・持ち物の完全ガイドはこちら → 大山登山ガイド:費用・アクセス・コース・持ち物を完全まとめ【日帰り】
神奈川のホテルを探す
PR: 楽天トラベルのアフィリエイトリンクを含みます。
